「雑誌よ、甦れ」(2006/01/24)

「本の会」例会に初めて参加。以前から知ってはいたものの、たまたま新文化のサイトでこのテーマであれば、聞かずにはおれず参加してみた。
しかし実はサブタイトルがあって、「雑誌よ、甦れ−デジタル時代の活字ジャーナリズムについて考える」というお題目で、編集オンリーの内容で肩透かし。講師は、高橋文夫氏(日経BP社 参与)で、60代後半にみえるベテラン。
内容も実は、『出版ニュース』2005/6上旬号「雑誌よ、甦れ」と『同』2006/6下旬号「雑誌よ、止揚せよ」という二つの原稿に忠実な内容で、残念ながら新しい知見を得ることはできなかった。
出席者の中で、IBM東芝のPR誌がデジタル配布となり、紙の質感がなくなるということに、感傷的になっていることに違和感を覚える。自分の考える紙媒体の機能の二極である「嗜好」と「実用」で言えば、PR誌は、顧客に対するブランディングツールであり、発行元の「実用」と分類できるものである。そこに逆転現象が起きているわけだが、こういったケースは稀有な例で、今後も「実用」のデジタル化は、ますます進んでいくだろう。